第9図は沖積層の厚い千住元町と、中間の曙町の第二中学校の地点と、伊興町の第十四中学校のところとの地質柱状図で第10図は、足立区の沖積層の標本的な層序図である。
いずれも上部は粘土、砂、礫からなっていて、荒川放水路の以北には砂と粘土の層が発達している。
粘土層は暗灰色または黒灰色で、粘性に富み、有機物を多量に含んでいる。砂は暗灰色か灰色で、細砂または中砂であって、この砂層が浅い地下水の滞水層になっている。上部の砂層は連続性のある地層で、遠く埼玉県越谷、春日部までのびている。
千住地区の一部と新田地区に礫層が上部の方にあり、いずれも海岸に堆積した礫で、貝の化石などを含んでいる。礫層のうちに褐色をおびているところがあるが、これは堆積しているとき、地表面に出ていて空気にあたり酸化したものと思われる。
最近は砂層も礫層も、地下水の汲み上げがはげしいため、水分を失ってボロボロになり、粘性を失い、崩壊性をおびてきている。
第11図の写真は、千住一丁目に足立区役所の新庁舎が新築されるとき、地下を掘り下げた時の沖積層の断面写真で、礫層が見える珍しいもので、白く見えるのは貝の化石である。
○足立区新庁舎地下六メートルの所にある礫層(貝化石を含む)
○足立区自然の生いたちのところで記した沖積層の中部層の上部にあたるところで、海進の終局時代に海岸に堆積したものである。