花畑川(花畑運河)

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 花畑川は中川を通航する船の利便をはかるために、四十年前に新たに開削された運河である。中川をくだり、小名木川や堅川を経て隅田川に出るよりも、ここに運河をつくり綾瀬川を経て隅田川に出る方が、水路にして一六キロも短縮できるというのが大きな理由であった。一方、掘った土で両岸を埋め立てて工業地帯にしようという住民の夢もあって、綾瀬川左岸内匠町から、中川右岸六木町に至る延長約一四七〇メートルの直水路を造り、運河の中川口には逆水門を、葛西用水との交差点には伏越を設けて用水を通すようにした。

 開削後はよく利用され、都内への物資の流入に利したが、近時は経済事情や交通事情の変動にともなって利用度はうすれ、工業地帯化の夢もまだ実っていない。(参考 東京府資料四ノ三一六ページ)

 従来中川を上下する船はほとんど東京都内への移出入貨物を取り扱った。一か年平均、下り貨物は、米穀・しょう油・野菜類・繩むしろ類で四二〇〇〇トン、上り貨物は、雑貨・木材・石炭・豆粕類が八〇〇〇トン、ほかに人糞尿四十万荷であって、それらは大部分五十石以下の小船ではこばれた。