高坏

130 ~ 133

 高坏には坏部口縁が外反するものと、内屈するものとがあり、坏部の底と縁とを接合する際にできた一条の突帯が稜をなすものと、まったく稜をなさないものとがある。多くは稜の上方をろくろあとがはしり、下方は磨かれている。

 坏部がわずかに内彎(わん)しながら外面に稜をもって大きく開き脚部が朝顔花状をしているものや、脚部より坏部へ「くの字形」にのびるものや、脚部と坏との接合部が太くずんぐりとした重厚な感じを与えるものがある。これらのものは弥生式土器から土師器へうつる過渡的な段階にあるもので、いわゆる和泉式以前の形式を示しており、最も古い形式に属する土師器と考えられる。

 それに次ぐ和泉期の狭間出土の高坏は、いわゆる和泉式土器の一部に該当するもので、脚部を見ると多少内彎する開きをもつものと、脚の裾部に至って急激に開き終わるものと、しぜんに脚部へ向って開く中間的なものとがある。口縁の立ち上がりが弱く浅くなって、坏部の平らな部分が広く稜をつくって、底部から口縁がのびているものもある。

 鬼高期の高坏は狭間から多く出土している。高坏は丈が低くずんぐりとした器形で小さな脚がつき、高坏の坏部の特長も鬼高期の特長を示している。

 本遺跡出土の高坏の手法を見るに、坏と台とを別々にこねあげたのち、坏底へ台の柄を差込んだもの、坏と台とを粘着させたもの、坏と台との間に粘土の柄を介在させたもの、いわゆる積上げの手法によったものと、そうでないものとがある。台脚部の内面に輪積のあと、円筒をこねた痕(こん)跡を遺すもの、また脚部の円軸の下底をわずかにえぐりとって、脚部が充実しているものもある。脚部をへらで磨き上げているもの、およびろくろあとの横走を見るものもある。脚部および坏の外面や内面に赤色顔料を塗彩したものが多く、一般にこの塗彩されたものは、焼成良好である。