器台

134 ~ 135

 この種の土器には形態的に二種類あり、一つは朝顔花形に開く脚に皿を付した形態のもので、脚部にたいてい三個の孔がある。他の一つは多少内彎する脚があり穿孔がなく、上部は漏斗状で内外ともに荒い刷毛目が見られる。伊興の遺跡中とくに狭間から出土している。前者に属する狭間出土の一例をあげると、胎土、焼成ともに極めて良好で、土器の高さ六・六センチ、脚部だけの高さ四・八センチ、皿部直径八センチ(推定)、底部径一一センチ(推定)、頸部三センチ、色は黄褐色を呈し、皿部中央から脚部に向って、直径一・二センチ余の貫通した孔をもち、また脚部頸下にも直径一・二センチばかりの孔三個が、おのおの等しい間隔をもって穿たれている。この三個の透しは一種の装飾としてつけたものと思われ、上下に通ずる孔も矢張り飾りと思われる。皿部浅く、高さに比して脚部広大で安定しており、皿か坩のごときものをのせる器台として使用されたものと考えられる。常陸関川村大字石川、上総君津郡青堀村出土のものに類品がある。

 伊興諸遺跡から出土した土器はいずれも狭間と同じものであるが、その出土数は狭間よりはるかに少ない。