『足立風土記』編さんの終了にあたって

足立区教育委員会委員長  亀井宗淳

 足立区と一口に言っても、古代人の足跡が残る伊興地区や、江戸時代の街道・宿場で、物や情報の交流拠点として発展した千住地区など、人それぞれに歴史があるように、地域にも固有の歴史があります。それは地理的環境やそれぞれの風土のなかで、人々の知恵が歴史や文化を育んできたという何よりの証しです。足立風土記ではその違いを鮮明にし、丁寧に記録しているところが素晴らしいと考えます。

 『絵でみる年表 足立風土記』や『足立風土記稿 地区編』一〇巻、『ブックレット足立風土記』一〇巻のほかに、一七冊の資料集を加えた足立風土記シリーズは、どのような視点からにせよ、これから郷土を知ろう、学ぼうとする人々にとって、最高の教材になると思います。

 歴史・文化の価値は、決して金銭で換算できるものではありません。これを後世に伝えていくのは、現代に生きる私たちの使命でありましょう。

 私もいろいろな調査で、各地の図書館等で資料を検索することがありますが、このように充実した郷土史にお目にかかれることはめったにありません。

 風土記編さんの事業はここで終了ということですが、この事業で得られた資料や情報は私たちの大きな財産です。小・中学校の教材としても是非活用していただきたいと思います。

 また、「学びが生きる 私が生きる まちが生きる」をテーマに、今進められている「二十一世紀のあだち『学び』プラン」にも盛り込まれていますが、その他郷土博物館に収集された資料とともに、一人でも多くの方々に生涯学習の基礎資料として活用していただけることを期待しています。

 最後になりましたが、本誌編さん委員各位と、ご協力くださいました地域の皆様に感謝申し上げるとともに、今後も地域の誇りである文化と歴史を、共に守り育ててくださいますようお願い申し上げます。

平成一六年三月