屋号の傾向

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次いで商店の屋号について見てみると、右の一覧の通りである。同一の屋号を複数の商店で唱えている事例も見出され、同一の町内に立地する場合もある。おおむね国名や地域名を唱えていることが判る。もっとも多いのが「伊勢屋」(No.1)で、続いて中野屋(No.2。地域名としたが姓に基づく名称の可能性もある)、近江屋(No.3)となっている。これにNo.15の紙屋といった業種名を屋号とした事例などが続く(ここでは「その他」に分類した)。

 織畑家の「千住宿宿並図」は、冒頭に記したように全件を描いていないため、傾向のみとなるが、ここで見たように千住宿は少なくとも一〇〇を超える業種の商店が軒を連ねた商業が盛んな町だったのである。

千住宿商店の屋号
No. 屋号 軒数 屋号の分類
1 伊勢屋 9 国名
2 中野屋 5 地域名
3 近江屋 4 国名
4 谷古田屋 4 地域名
5 万屋 4 その他
6 遠州屋 3 国名
7 亀屋 3 その他
8 柏屋 3 その他
9 越後屋 2 国名
10 丸屋 2 その他
11 幸手屋 2 地域名
12 佐野屋 2 地域名
13 三河屋 2 国名
14 山本屋 2 その他
15 紙屋 2 その他
16 舎人屋 2 地域名
17 信濃屋 2 国名
18 徳島屋 2 地域名
19 宝珠花屋 2 地域名
20 鈴木屋 2 その他
21 藁屋 2 その他

出典=「千住宿宿並図」(織畑家文書)