明細帳に見る千住

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 「日光道中千住宿村差出明細帳」(甲田家文書、以下千住宿明細帳)は、一九八五(昭和六〇)年一一月一二日、足立区有形文化財(古文書)に登録され、現在足立区立郷土博物館に収蔵されている。差出人の下に印鑑が押されていないことから写しと思われるが、抹消・修正箇所は少ない。成立年代は、一八二七(文政一〇)年閏六月で、中村八太夫役所宛てに差し出された。宿内の堤や橋、往還など普請場所の記載部分に「明次(治)六酉年四月 自普請仰付られ候」という貼紙があることから、明治期にもこの史料が用いられていたと考えられる。記載されている範囲は千住宿の範囲、すなわち千住一~五丁目、掃部宿、橋戸町、河原町、小塚原町、中村町の計一〇か町丁に及ぶ。千住宿明細帳の内容は、石高・伝馬役の各町丁別内訳・貫目改所・農間渡世・宿泊施設・宿内の商人及び職人の内訳・宿内寺社・御普請所と自普請所・貯穀高・宿役人給・村役人給・助郷村名と勤高・用水など、宿方・村方の区別なく千住宿の様子が詳細に記されている。村明細帳などによく見られる家数と戸口については記述を欠いているが、文政期の千住宿の状況を知りうる貴重な史料といえる。


「日光道中千住宿村差出明細帳」表紙