江戸開城の前後、四月一一日から一二日頃、無血開城を不服とする抗戦派は江戸から脱走し、江戸川左岸(東岸)の市川や流山などに集まって抵抗を始めた。もっとも代表的なのが幕府歩兵奉行大鳥圭介(ほへいぶぎょうおおとりけいすけ)が率い、新選組の土方歳三らも合流して成立したいわゆる大鳥脱走軍であった(仮称。大山柏『補訂戊辰役戦史』時事通信社、一九八八年による)。とりわけ市川の国府台は、この大鳥脱走軍の他に誠忠隊(せいちゅうたい)や回天隊(かいてんたい)などの幕府脱走の諸隊も集まり江戸開城を不服として抗戦を始めていた。