大正期に相次いで刊行された『南足立郡誌』には、明治から昭和戦前までの千住で著名な会社、銀行と商店が取り上げられている※。ここで商業の具体像を見るため、同書に取り上げられた商業組織について概観しておきたい(工場については別項参照)。なお『南足立郡誌』が取り上げた基準については、残念ながら不明であるが、商店については記載があり、一九二六年版で、「大正十一年度の営業税三百円以上」としている。
※ 刊行は二度行われ、一九一六(大正五)年に南足立郡役所が、一九二六(大正一五)年に南足立郡教育会が刊行を行っている。