千住東宝映画館

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一九二六(大正一五)年、千住三丁目のサンロード商店街東側にあった。三五(昭和一〇)年ころまでは千住演芸館という無声映画の映画館であった。椅子は背もたれの無い長椅子で、舞台の袖に弁士の演壇があり、舞台の正面に規模の小さいオーケストラボックスがあって、映画が始まる前に、バイオリンとピアノの奏者が舞台の下からボックスに入り、音合わせをやるからこれから始まることがよくわかった。暗くなり映画が上映されると、袖幕から弁士が出て演壇に立ち、場面を解説し、男女の台詞を使いわけして口演した。

 弁士の出演料は高かったといい、映画館ともめたりすると欠席したりした。千住演芸場も時々弁士が居ないことがあって、退屈した子どもの遊び場のようになったりしてついに閉館した。

 その後、大改装して「千住東宝劇場」となり、オールトーキーの封切り館としてデビューした。

 二階建てで、入口が旧道からポスターやスチール写真の掲げてある通路の掲示番を見ながら入り、その正面には大絵看板が掲げられて千住っ子を楽しませた。戦中戦後、人気のあった映画館だったが、この映画館もテレビの普及と共に衰微し一九七八(昭和五三)年に閉館した。