千住遊廓の遊女お牧は、その美しさで廓の人気を独り占めしていた。ある時、川越夜舟の船頭と結ばれ、二人は駆け落ちする約束をした。その夜、お牧は約束の場所に行って待ったが、男は遂に来なかった。お牧は悲しさの余り荒川に身を投げた。その後、川越夜舟がここを通ると、一匹の大蛇が現れ舟を転覆させる、という出来事が幾度か続いた。村人はお牧の霊の祟りと思い、地蔵を建ててその冥福を祈ったという。この話が誰言うとなく伝わり、この辺りの湿地を「マキノヤの原」とよぶようになった。
牧の野の大蛇
千住遊廓の遊女お牧は、その美しさで廓の人気を独り占めしていた。ある時、川越夜舟の船頭と結ばれ、二人は駆け落ちする約束をした。その夜、お牧は約束の場所に行って待ったが、男は遂に来なかった。お牧は悲しさの余り荒川に身を投げた。その後、川越夜舟がここを通ると、一匹の大蛇が現れ舟を転覆させる、という出来事が幾度か続いた。村人はお牧の霊の祟りと思い、地蔵を建ててその冥福を祈ったという。この話が誰言うとなく伝わり、この辺りの湿地を「マキノヤの原」とよぶようになった。