一八二九(文政一二)年に成立、一八三四~三六(天保五~七)年に刊行された江戸の風俗・行事・景観を紹介している。斎藤幸雄・幸孝・幸成著、長谷川雪旦・雪提画。手前に千住川(現隅田川)、右上に綾瀬川を配している。牛田薬師堂(千住曙町の西光院、三〇九頁参照)、関屋天満宮(現仲町氷川神社境内社、一九九頁参照)などの関屋の里にあった名所を描いている。元天神は関屋天満宮の移転前の場所で、『風土記』によると、塚の大きさが二〇歩(約六六m2)、高さ三尺余(約九一cm)、塚の上には跡を示すために小さな祠が建てられていた。この塚と祠について『旧考録』には、一六一六(元和二)年掃部堤を築いた時、その南側に往古の関所があった場所を考察して建てたとある。また、この天神の周辺に生える葭は片葉であったために、片葉の天神ともよばれていた。近年まで「関屋天満宮跡」という小さな石碑が建てられていたが、いつしか行方不明になってしまった。