本文書は、足立区柳原の旧家冨澤家に伝来するもので、一九九二(平成四)年に区登録文化財(有形文化財<古文書>)となった。冨澤家は、もともと葛飾郡小谷野村(現葛飾区堀切二、四、五丁目付近)にあった。しかし、荒川放水路開削により河川敷となったため、現在地へ移転した。
本文書は、一七一八(享保三)年を上限に近代に至るまで計三六四点で、中心は幕末以降にまとまっている。内容は大別して、
①近世~明治期にかけての荒川ならびに綾瀬川の船運関係
②文芸・信仰関係
③小谷野村関係
④その他
に分けることができる。この中で、同家文書の特色として①と②があげられるが、特に②文芸・信仰関係文書は、歴史研究では検討の難しい庶民生活の一端をみるに有要なものである。