陣屋桐田家と勢子旗(島根三丁目二五)

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 国土安穏寺の南西に松の木が印象的な旧家がある。陣屋という通称を持つ桐田家である。ここは、かつて輪番制の島根村名主をつとめていたと伝えられる家である。

 通称名の陣屋という呼称は、源氏伝承に基づいている。平安時代末に源義家らの奥州合戦のおり、ここが陣屋となったのが、名の起こりとされている。

 また、当家が著名なのは現在、郷土博物館に保管されている御用旗の旧蔵先であること。この旗は次のような文面が染め抜かれている。

  御鹿狩    渕江領

   勢子人足四十一人

  御用     嶋根村

 これは小金牧(現松戸市小金原)で一八四九(嘉永二)年に実施された鹿狩の際に利用された勢子人足の隊旗で、島根村から勢子が四一人出役したことが記されている。この小金原の鹿狩りは八代将軍吉宗の時代に二度(一七二五・享保一〇年と二六・同一一年)、一一代将軍家斉の代に一度(一七九五・寛政七年)、そしてこの旗が使用された一八四九年の計四回実施されている。この旗は縦一〇六cm×横六五cmで、紺地に白抜き文字で造られている。

 こうした歴史性を物語る資料として足立区の登録有形文化財(歴史資料)となっている。


陣屋と呼ばれる桐田家


勢子人足41人の旗 嶋根村から将軍家の狩に人足が出役した時に掲げた旗