日清紡績の移転と東京都防災都市づくり計画

303 ~ 304

 日清紡績は、戦後も以前と同じ場所で、合成樹脂やウレタンなどいろいろな製品製造を進めてきた。西新井栄町域の市街地化に大きな影響を与えてきた日清紡績は、東京都防災都市づくり計画の進行ともからんで、二〇〇三(平成一五)年までには一部を残すものの、大部分は移転が決まり、すでに進められている。町の中心に位置している、広い工場跡地の再開発による新たな町づくりは、地域の活性化につながるものと期待されている。

 一方で、地元の人びとは工場跡地の再開発に影響を与える東京都防災都市づくり推進計画にも大きな関心を払っている。

 東京都では、西新井駅西口周辺地区を、防災都市づくり推進計画区重点地区に設定した。この設定は、震災被害を未然に防止するという観点から、災害発生前から地域の安全性を高める「事前復興」という考えに基づき整備を進め、地区内の災害危険度の軽減、より広い地域の防災性の向上に寄与することをめざすものである。

 整備目標としては、基盤整備等による空地の確保・不燃化をめざし、おおむね二〇か年を整備目標とし、当面一〇か年を整備計画としている。

 一九九七(平成九)年二月には、地元の町会、商店会代表を集め、この計画の説明会があった。しかし、一〇年、二〇年単位の計画であることもあって、具体的にどう変わっていくのか、説明会に参加した地元の人びともはっきりつかみきれなかったようである。

 今後、この町がどのように変化していくのか、期待と不安をいりまじらせながら、地元の人びとは、新しい町づくりを模索しはじめている。


日清紡績東京工場移転計画図(日清紡績提供)
第一次区域から工場などが順次撤去され、新しい街並みに変わろうとしている。


現在の日清紡績東京工場第1次移転計画区域の様子(2001(平成13)年2月撮影)