翻刻・読み下し

土方歳三書簡

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 〆
小生さし 之刀壱腰
御送り申上候壱刀有之候ハゝ
間ニあひへく候
□□
佐藤彦
 
愈御壮栄
奉大悦候二ニ当方
無事御休事
被遊可被下陳は
此度大石鍬次郎
東下為致は非別
義右鍬次郎弟
酒造氏於当地病死
仕候依之橋家等と
大石家相立ル者ハ
鍬次郎外無之
右ニ付一先帰府
為致親類共至急
相諸事度義も
有之東下致候間
四五日在府可仕候
一近藤未た帰京
不仕候防長一件
而東行不相分尤
京地ハ至静事
御坐候先ハ右申上度
如此御坐候
恐々不備
 
【読み下し】

 〆
 
小生さし□之刀一腰お送り申し上げ候。一刀これあり候はば、間に
あいべく候。
□□
佐藤彦(以下破損)
 
いよいよご壮栄、大悦に奉り候。
二に当方無事、ご休事遊ばされくださるべく候。
のぶれば、このたび大石鍬次郎東下いたさせしは別義にあらず、右鍬次郎弟酒造氏
当地において病死つかまつり候。これにより橋家等と大石家あい立つる者は鍬次郎
ほかこれなく、右に付きひとまず帰府いたさせ親類ども至急相諸事度義もこれあり
東下いたし候あいだ、四、五日在府つかまつるべく候。
一、近藤いまだ帰京つかまつらず候。防長一件にて東行あいわからず、もっとも京地は
いたって静事に御坐候。まずは右申し上げたく、かくのごとくに御坐候。恐々不備。