〔翻刻凡例〕

一、翻刻に際しては、底本に忠実であることを心がけたが、製版・印刷上の都合と通読の便宜とを考えて、次のような方針に従った。
1 底本の変体仮名はすべて現行の字体に改めた。
2 漢字については、できるだけ底本の字体を尊重して、印字可能な範囲で字体の再現を試みた。したがって、一つの漢字に関して、いわゆる新字体・旧字体の両方を用い、さらには異体字の類も用いた。字体の使い分けを知る便宜のためであるが、原則としてJIS規格に含まれる字体の範囲に限ったので、必ずしも厳密ではない。
3 読み易さを考慮して、読点を施した。また和歌には通し番号を付した。
4 改行は底本のままとし、紙の継ぎ目を」で示した。
5 本文に疑問があり、脱字と考えられる場合は、右傍に(ママ)と注記した。
6 小字または割書で書かれた部分は、読み易さを考慮して、ややポイントを下げた文字で表示した。
一、下段には、*(稽古有文館本)―(書陵部本)の形で二本の異同を示した。また、書陵部本にみられる頭注や判読不能な箇所の注記もここに示した。