おわりに

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 桑原氏の『出雲俳壇の人々』には、『あきのせみ』に載る百蘿の辞世句と浦安の脇句が紹介されている。しかし、その出典は『あきのせみ』ではなく、「嗣子日々華浦安草稿、百羅「追善句募集文」」であるという。現在、その「追善句募集文」を確認することはできないが、おそらくは、その「募集文」によって集められた句が、この『あきのせみ』に収録されたのであろう。
 繰り返しになるが、『あきのせみ』は、百蘿の伝記資料としても、大社俳人たちやその交遊圏を具体的に知り得る資料としても貴重である。ここに翻刻紹介する所以である。
 

 (1) 私家版(平成25年9月発行)による。なお、引用にあたり、適宜改行を改め、句読点を補った。
 
〈凡例〉
 翻刻にあたっては、概ね通行の字体を用いた。
 句読点、濁点は適宜補い、改行も適宜改めた。ただし、2丁裏の「国造のみたち」の前で改行するのは、原本どおりである。
 原本の各丁片面の終わりに当たるところに 」をつけ、( )内にその丁数および表・裏(オ・ウ)を示した。
 誤記かと思われる箇所も原文どおりに翻刻し、適宜その傍に「(ママ)」を付した。
 参考のため、原本の参考図版を末尾に示した。