〈翻刻〉

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  元日や海山かけて祝ひもの
  月星の国も富士より明の春
  蓬莱の裾野つゞきや門の松
  むめ咲やぬしなき庵のうす煙
  芽柳に見られてむめの笑ひ哉
  見ておかん娵とりよしを初ごよみ          」(1オ)
    梅遠薫
  むめさくや遠寺の鐘も匂ふかと
  ながき日や花にはいわぬ事ながら
    禅寺に遊ぶ
  わすれたる髪の匂ひやむめの花
  一日は精進ものゝはな見かな            」(1ウ)
  蛙なく水田の上やうす月夜
  残るゆきやがて消るとおもへばや
  白魚やこゝろのあるとおもはれず
  ふところの子もすかされし棡かな
  うぐひすのなくや筧に水の音
    大やしろに詣奉る」(2オ)折りから、花のさかりければ
  是(1)はまた八色の外歟花の雲
    ある僧をまねきけるとき
  樹々の芽や野の有さまを膳の上           」(2ウ)
    病家見舞
  へぐやうな日に/\山のうすがすみ
  角落す鹿や彼岸のうしろまへ
    行脚の何がしを見送りて
  見送らん雲雀の上るところまで
  野遊び(2)や常行道は有ながら           」(3オ)
  鬼のなくところもありて涅盤像
  燕や何のあんばいをはしらだて
  色/\に餅も染るや雛あそび
  回国の何がしを送る
  花がさや日本晴のうしろがけ
  春雨や日に/\水の人ちかき           」(3ウ)
    満花の峯に遊ぶ
  物洗ふ女たづねん花の雲
  飯蛸や飯次ともに喰仕舞
  つながれて牛の匍匐に柳かな
  うぐひすの誘歩行や桃のはな
  咲揃ふ日は草臥てふじの花              」(4オ)
  春雨や初手から念を入て降
    題窓前竹
  竹植てうぐひすまつや窓の前
  膳(3)のめし喰ふ人はなし桜狩
    柳にて会釈ある人へ返す
  柳には糸のたけありいかのぼり           」(4ウ)
    羅硯両風士に訪れける折から、雨の有ければ
  春雨や客ふたり得て猶しづか
    山家の花に遊ぶ
  むしろにも屋根にも花の住居哉
  行春に近道ありや老の山              」(5オ)
  行春や野は陽炎のもへすさり
    今夜は何がし亭に止宿せんと、遥に見やりける行路の吟
  見て行ん雲雀の落る其ところ
    何がしに止宿して               」(5ウ)
  うぐひすに起さるゝ朝のこゝろよさ
  鶯の機こしらへや糸やなぎ
    誰彼と共に、何がしあるじに招かれける時
  雲に入けりな一連くろ羽織
    庭前の風流                  」(6オ)
  春広し土筆蕨も堀の中
    清心山に遊ぶ 端書略
  春風や鐘はどちらへこぼるゝぞ
  朧夜やかつら男も温泉友達
    是は温泉見舞の句 端書を略
  梨子の花咲やさくらの通りがけ           」(6ウ)
    花時酒一樽
  さくらには何折くべん酒の燗
  咲花や我身の老はかへりみず
 
     一夜塚の記
    恐るべきは霊魂にして、うたがふまじきは因縁ならん。爰に俳諧正風の大祖師」(7オ)芭蕉翁の石碑を建んとするに、心に叶ふ霊地を得ざればむなしく年月を経過せり。しかるに此円通場は神光禅寺の別境にして、人家よきほどに隔たり、後は御崎山峨々と峙ち、月も神代の光を伝へ、谷深ふして」(7ウ)水いさぎよく、又なき風境と言つべし。されば、一基のしるしを願ふに、聊さはる事なく、院主是をゆるし給へり。幸なる哉、境内に石あり。其高さ六尺にあまり、四面三尺に過て、まさにけづりなせるがごとく、則是を乞求て、遂に」(8オ)一夜塚とは崇敬し侍る。爰に此名ある事は、狼も一夜はやどせ芦の花といへる故翁の真蹟にもとづきて、斯は銘じ侍るなるべし。于時宝暦四甲戌三月四日、あまたの高僧を供養して点眼の法会を行ひ侍りける。」(8ウ)ある夜、霊魂禅室に来て戸をたゝく。和尚臥ながら誰ぞと問給へるに、芭蕉翁也と答へ、法会の懇志を謝して、今は立去り給ふよし。むかしは仏頂禅師に参じて、一椀の茶に大道をさとり、此日は神光禅師の」(9オ)回向によりて、まさしく仏化に至れる事、何のうたがひかあらん。恐るべし尊むべしと、百拝稽首して筆をとゞむ。
  うぐひすも経よむ花の梢より
    宝暦四甲戌三月四日              」(9ウ)
 
     峯薬師参籠記
    此高院の本尊は、瑠璃光如来にして石仏とかや。むかし八雲たつの社、唯一に改れるの頃、爰の霊境に移し奉るよし。数々の霊現、拙き筆に記するも恐れあれば略し侍りぬ。堂場は御崎山の」(10オ)麓に峙ち登る事三曲にして、危磴けはしく緑樹四隣を掩ひ、庭前に芭蕉の一株有て粟津の面影も床し。梅花薫じて春を笑ひ、柳吹れて糸をみだす鶯のうたも、琴弾鳥も、都ては御法の声」(10ウ)とや聞ん。暮て閑に月にむかへば、乙見の松に朧を移し、漸春もほど過るより、青葉若葉の枝を交へ、ほとゝぎす、しば/゛\をとづれ水鶏も空にたゝき明て、初秋の風の身にしむ頃、鹿の哀もかけ樋の寂も、木葉の」(11オ)時雨にはなどかまさらん。高浜のゆふべは雪の波よると詠じ、三瓶がたけに雲のかゝれるも、皆是造化の天工といふべし。宿願ありて、此春二夕三日の膝をやすんじける折から、此風興を算んとするにいとまあら」(11ウ)ざれば、禿筆をそめて如来の宝前にぬかづき、藤の一枝を奉るのみ。
  百八をつらぬく玉や藤の花
 
    茂竹庵のあるじは、予が生縁のしたしみあり。兼ては風月のおもひ」(12オ)あつく、故翁の跡をしたひ、落柿の源をさぐり、あやうき梢にのぼりて、正風直旨の熟柿を得たり。されば、花にうかれ、鳥にさまよひて、北陸の雪に跟をやぶり、東南の月に腸をたつ、いそのかみ」(12ウ)古きながめを尽して、行衛定めぬ身とはなりけらし。鳫書の伝へもほどへだゝりけるに、此春筑紫行脚の杖をまげて草扉をたゝかれし事、よろこぶにあまりあり。             」(13オ)
  月や花にならべて見たりまめな顔
 
    吟杖の折から、円通場に立寄て暫時春暖を憩ふ
  肘杖の袖にこぼすやつぼ菫
    万死をまぬがれ三とせの此日、大社の新殿に詣ける折からに奉る                      」(13ウ)
  新なる千木も命のしげみかな
  雷のあとこゝろよしほとゝぎす
  下やみの初手を染たる青葉哉
    行脚の風騒
  笠かけよ(4)藜の杖になる日まで
  天の戸も明はなしなり夏の月            」(14オ)
    或僧に訪れしとき
  物くさき中に蓮の浮葉哉
    或人の物かき給はりければ
  凉しさの石に入けり筆のあと
    或人に尋られ打解かたらん事を         」(14ウ)
  いざまくら瓜もはたけに此ごとく
  染色の山のしら地や雲の峯
  葵さく垣や階子のひとつ宛
    題扇
  ならさぬも掟の数やもち扇
    あつさしのぎがたくて、人の」(15オ)もとへ寄、まくらをかる
  身ひとつを座しきへ瓜の凉哉
    西国に赴行脚の何がしを送る
  言伝もあすの鳫まつ別かな
  ほとゝぎす覚ての声はなかりけり
  鷺にさへ五位あるものをほとゝぎす         」(15ウ)
    嶌遊びの折から、鮑とりなどの興ありて
  楽天は知らずや夏の鮑とり
    旅人に対して
  杖も根をおろせ木下は闇なりと
  風なきにまはるは誰そや風車            」(16オ)
    或亭にいたりて、こゝろやすくもてなされければ
  おもふほどひろげて凉しもち扇
    番やしきといへる処のあるじ、対して
  ほとゝぎす聞もらさじと番やしき          」(16ウ)
    ものいへば唇さむしと、故翁の金言を信じて
  ひらかぬを扇の凉み所かな
    彼上人へ対して
  百八を合せて凉し夏の露
  萍も散こゝろなり五月雨              」(17オ)
    心ある風騒とかたりて
  ゆきたけも同じはたへの袷かな
  五月雨の昼寐や眼がねかけながら
    尺八稽古の人へ
  耳凉し心の竹になる時は
  魚の行道咲わけよかきつばた            」(17ウ)
  蝶鳥も知らぬ宿あり今とし竹
  まくらより跡より凉し海の音
  清水哉さても夢哉命かな
  己が代をわすれて鳴や松の蝉
    何がし庭前
  おのづから塵なし苔の花むしろ           」(18オ)
    敦盛の塚にて
  扇つかふ人も恨しむかし塚
    西宮に詣て
  元やすの神詑(ママ)もあり夏神楽
    つくしの人に訪れける時
  河百里海百里山ほとゝぎす             」(18ウ)
    粟津にて
  とりはらふ空や粟津の青嵐
    矢橋に船の往かふを見て
  帆に蝶の往来も凉し琵琶の上
    石山寺にて
  明やすし石も蓮の山の月              」(19オ)
    瀬田にて
  長橋や半夕照ゆふすゞみ
    比良の暮雪とはいづれの境なるやと、里の男に尋て
  雪ぞとも比良にゆふべの雲の峯
    堅田にて                   」(19ウ)
  堅田今鳫の留守居やほとゝぎす
    唐崎を眺望の折から雨のふりければ
  唐崎や此夕立も常ながら              」(20オ)
    越の白峯にて
  へだてゝはかくともしらね玉芙蓉
  白峯や見おろすは雪と雲の峰
  川狩や橋の下から通ひ盆
  夏草や摘残されしつぼ菫
  ほとゝぎす星のあかりや雲ちぎれ
  思ひ入山は鹿よりほとゝぎす            」(20ウ)
    みちのくなる自好法師に訪れて
  橘や袖のやつれはむかしにも
    自好法師の旅窓を扣て
  石文の風も薫るや笈日記
    笑談三日もいと深切を尽くし、」(21オ)けふや別にのぞむ。貴老は七十に近く、予は五十にたる。山海五百の里程、再会の思ひ遥にして、其情尽しがたし
  別かな凉しひ国の出合まで             」(21ウ)
    故翁の跡を慕ふ無所住の風騒に対す
  萍の花や根とてはおろさねど
    会釈
  打水もとゞけ五尺のあやめ艸
    来成の神社遥拝                」(22オ)
  千木高し青葉若葉の梢より
    吟行旅人を誘ふ
  水鶏なくやどを今夜の旅寐哉
    端略(ママ)
  寐て待ん夢の果報やほとゝぎす
  花ならでかへり若葉のやなぎかな          」(22ウ)
  短夜はよし寐ぬとても新茶哉
  花娵の花もいつしか母子草
  夕がほや終に隣の家根に咲
  秣負ふ人の肩より〓子の声
  あのうたの(5)いつか穂に出ん田草取
  妻もたぬ身には摘せそ紅の花            」(23オ)
  余の鳥になかせはせじと行々子
  ねり雲雀やぐらの夢は刈の舞
  なげ入を終に喰けり蔓いち子
    御崎山の麓を通りけるに、此あたりは須广の風景(6)に似たりとある風騒の申され」(23ウ)ければ
  名所も人のたよりやゆふすゞみ
    故翁落柿の俳恩は更にして、今猶水鶏坊を慕ふも、百羅道人のゆへあればなり               」(24オ)
  たゝかるゝ心水鶏の鳴にさへ
  雲こゝろなしとも見へず今朝の秋
  はつ厂や何処を堅田のわたり口
  秋もやゝ団扇の紙の骨はなれ
  妻乞のあと踏わけて木実取
  きり/゛\す一声づゝの灯のほそり          」(24ウ)
  同じ野の錦ながらも若たばこ
    老懐
  うらやましいつの秋にも四十雀
  ほむる人なき御馳走や玉まつり
  名月や花には寐たいこゝろあり
  暮かゝる日を引とめて紅葉かな           」(25オ)
  秋来ぬと梢は鵙のにへあがり
  落鮎や一葉飛込む其日より
  何の葉の雫に染て鮎の渋
  野分より裸そだちや鶏頭花
  朝貌や棚は餌を呼ぶ鳥の声
  鳴しかや頭にたく香も消てゆく           」(25ウ)
  稲妻やいつの光を稲の殿
  見物に骨おらせたる相撲かな
    何がし庭前に対し
  杖ほどの竹四五本に月深し
  伽ほしい心になりぬ秋の風
  立さかる市も地声や盆かざり            」(26オ)
    越路帰杖の折から、都の人に誘はれ、七夕をまち得て伏見へ下る
  七夕やふし見の船へ寐に下る
  茸狩や人も紅葉を踏わけて
    三刀屋といへる里の名は、」(26ウ)神のむかしの謂れも有よし
  稲妻や神の釼の光より
    中嶺山普光寺は、世にいふ峰寺とかや。昔日行基菩薩、此山をひらき給ふよし。」(27才)幾とせのむかし、限しられず。本尊観世音、利益あらたにまし/\けるより、順礼納経の旅人不絶歩を運ぶ。伐木の禁戒ありて、松柏おのづから枝をまじへ、山色」(27ウ)鬱蜜として、うぐひす、杜宇、ねぐらをあらそふ。不貪して夜金銀の気をしり、害を遠ざけて朝に鹿麋の遊ぶを見ると言ひしも、此境ならんとゆかし。一日」(28オ)、魯川子に誘れ此寺に詣て
  尊さや腰かけるところ岩蓮花
     右、三とや岑寺に遊ぶの吟也。
    日御崎にて
  昼をこそ暮ては月の御崎とも
  鐘(7)の音もちぎれ/\や小夜時雨         」(28ウ)
  白露の莟ひらくや霜の花
  置しもや一朝づゝの草の茎
  山賤の絵に似て通ふかれ野かな
  炭がまや何木の匂ひともしれず
  時雨るゝや隣歩行も旅すがた
  桧わだやの積り見せたる十夜かな          」(29オ)
    大仙遥拝
  大仙や冬の最中を雲の岑
  ちらはらと小鳥をへらす時雨かな
  青鷺(8)の杭に成たるさむさかな
  遊仙の沓もなかすや落葉川
  羽織着た人を上座や里神楽             」(29ウ)
  木葉さへ踏ぬこゝろや神集
  埋火をさがして庵の出し茶哉
  ふところのかたぎぬ出すや御取越
  づゝくりと山案子(ママ)もたつや初しぐれ
  追れたり追ふたり波の磯千鳥
  市中は将棊に似たり年の暮             」(30オ)
  猶お(ママ)しめ年もながれの女子ども
    弥生の風流は筑紫にとゞまるよし、肥後の風騒天山子の物がたりも、其むかしゆかしくこそ
  橘の香やうすものゝ袖になを            」(30ウ)
  昼貌や人の昼寐の中を咲
  夏の夜やゆかたの冷の気にかゝり
  むさし野は草よりたつや雲の峰
  後の世は何に生れんほとゝぎす
  ほとゝぎす何にも知らで鳴にけり
    扇を給はりし人のもとへ
    端書略
  舞もしつ又は暑サの玉はゝき            」(31オ)
    (白紙)                   」(31ウ)
  よろこびにもるゝ物なしかざり藁
  むめ咲やふれども雪の地に落ず
  うぐひすや庵の見舞の往もどり
  野遊びや何にならねどつぼ菫
  文庫から雲に入けり凧               」(32オ)
  渡らずにたちのく橋の柳かな
  めでたひと言ふ日に咲や梅の花
    人丸千五十年忌
  あふがれてひれふる峯に帰鳫
    勝季風のぬしは農家に名あり。ことし、安永の春を待得て賀筵のまふけありけるを祝し侍りて
  萬歳を門田の当や種をろし             」(32ウ)
  ある時(9)は子にも鳴らん秋の鹿
    長谷氏の何がし、やめる事ありけるを、はやくも快復あらん事を祈るに、はいかい首尾の吟を綴り、其鬱情をいさむる連句の中、鶴亀松竹を以て祝意をうたふ。誠に笑談の拙章、見る人笑らふべし、/\
  竹子や喰残されて今とし竹
   こゝろよいもの夏の朝起             」(33オ)
  飼鶴もすり餌の音に目覚して
   石でかけたる橋のたしかさ
  達者なる脚や月見に三里五里
   これも食補と菊の諸白
  ぬけてゆく秋ともしらす松の色
   箔あたらしく絵馬尊き
  鉄漿かくす笠のくけ緒のひちりめん
   祖父は祖父でも伯父のといへ
  こりや/\と花の宮笥を袂から
   日もあたゝかに背をさらす亀           」(33ウ)
    孟夏日   白澤園
 
   四季混雑
    梅は美麗繁花なれども大木なし。樫楠の人目にたゝぬ天地自然の風情と、猶幾千代の春の栄を思ひもふけて、めでたかりけれ
  人は兎もいへかし楠の若みどり           」(34オ)
    加茂の何がし、随草、風医と野遊びの折からに
  野遊びや紛た草の名もわかり
    長谷寺の花に遊ぶ
    はし書略す
  手折なよ花にも慈悲の御誓             」(34ウ)
    送別
  見送れば蝶も出てもふ駕の前
  野遊びや一ふしあまる杖の丈
  ふしながら見るはづはなしけふの月
  暇乞した名月をけふの月
    金銀瑠璃〓〓
    瑪瑙珊瑚琥珀                 」(35オ)
    といへば、金銀は第一の宝と見えたり。猶、具足延命こそ万宝の最上ならんと賀し奉りて
  懸ぞめやみな豆板の三百目              」(35ウ)
    高橋の鳩飛閣も人しれず一時に成就と聞へければ
  雀にもしらせず早稲の穂屋つくり
    すみ絵の松ある扇に発句せよと望れ侍る
  日黒みの松やまつかさ投ながら           」(36オ)
  名月やいなゝけばこそ白月毛            」(36ウ)
    (白紙)                   」(37オ)
    (白紙)                   」(37ウ)
    (白紙)                   」(38オ)
    (白紙)                   」(38ウ)
    (白紙)                   」(39オ)
    (白紙)                   」(39ウ)
    (白紙)                   」(40オ)
    (白紙)                 」(40ウ・終)
 

 (1)「は」は「も」を、「他」は「中」を見消チにして訂正する。
 (2)「は」は「を」を見消チにして訂正する。
 (3)下五は「山桜」とあったものを、「山」を見消チにして「狩」を書き足して訂正する。
 (4)「の」は「は」を、「なる日まて」は「ならすとも」を見消チにして訂正する。
 (5)「いつか」の右脇に「頓て」と書き添える。
 (6)「景」は「興」を見消チにして訂正する。
 (7)「も」は「の」を見消チにして訂正する。
 (8)「に成たる」は、「かとはかり」を見消チにして訂正する。
 (9)「秋の鹿」は、「鹿の秋」を見消チにして訂正する。