そして平成23年度に明石市地域文化財普及・活用事業実行委員会を立ち上げることになり、私に当実行委員会の委員長になってもらいたいと依頼され、当惑いたしました。
何分、突然の依頼で明石市全体の文化財を全く知らない私に務まるか、不安になりました。
そこで、調査委員だけでなく、市民の方にも加わってもらい、いろいろな意見を取り入れていく手法をお願いしましたところ、「ふるさと歴史発見隊」、「ふるさと漫歩」、「ふるさと探検隊23」、「王子ふるさと会」の4団体の方々に参加していただくことができました。さらに、神戸大学大学院人文学研究科地域連携センターの研究員にも参加していただくことになりました。
これにより実行委員会の組織として、委員長・副委員長・委員・ボランティアの団体を含めて柔軟で幅のある構成ができました。
6月の委員会で地図は明石市の地形図(1万分の1)を使用し、市内を4分割(1分割は新聞紙大)として調査することを決定、その担当班も選定しました。
そして、平成23年度は「東部編」として、明石川東岸から神戸市にいたる明石城を中心とした周辺地域を調査しました。調査にあたっては、自治会と連携し、必ず聞き取り調査を行うことを確認し、神戸大学の先生や研究員と協力して取り組みました。
このようにして、平成24年度は、「中部編」として明石川西岸地域と大久保地域を、平成25年度には、「西部編」として、魚住・二見地域を調査、市内全域4枚の「あかし文化遺産マップ」を発行いたしました。しかし何分限られたスペースの関係で、各地区の文化遺産をすべて網羅することができませんでした。
そこで平成26年度に「あかし文化遺産マップ」の内容を補完する冊子を発行することになり、できあがったのが、この「あかし文化遺産」です。このささやかな冊子、「あかし文化遺産」と「あかし文化遺産マップ」を市民の方々をはじめ市内の学校やコミセンなどの公共施設、さらには観光客の人々にも活用していただければ幸いです。
最後になりましたが、明石市地域文化財普及・活用事業実行委員会の副委員長としてご活躍していただきました大西昌一先生が平成25年10月にご逝去されました。ここにご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
平成27年3月
明石市地域文化財普及・活用事業実行委員会
委員長 大村敬通
明石市地域文化財普及・活用事業実行委員会
委員長 大村敬通