■大坂堂島の旗振り通信
林浦では、イワシの漁獲に古くから地引(じびき)網が使われてきました。持網も使用されていましたが、明治20年代に巾着網(きんちゃくあみ)の導入が試みられ、年々改良が加えられていきました。網を入れる船が2隻(せき)、魚群を探す船、獲った魚を運ぶ船など5隻程度の船団を組んで操業する規模の大きい漁業でした。イワシの大群がやってくると網船は現場に急行し、上部に浮子(あば)をつけ、下部に沈子(いわ)をつけた幅広の長い網で魚群を囲み、網をたぐり寄せて魚を捕獲しました。そのとき下部に環をつけておき、絞るようにして魚が逃げるのを防ぐところから、巾着網とよばれました。一度にたくさんの魚を獲ることができたので、イワシの大漁に林の浜は活気づきました。それを記念する碑が林小学校の校庭に建てられています。
■巾着網記念碑
■昭和47年の巾着網漁(林コミュニティー・センター提供)