こうした中、地域のアイデンティティの源ともなる伝統文化の灯を絶やさぬためにも、市内に残る身近な民俗文化財等について、聞き取り調査を実施し、記録化し後世に継承していくことが、なによりも大切なことだと思われます。
そこで、このたび、明石民俗文化財調査団を立ち上げ、「明石の農村」をテーマに、地域に残る独特の祭礼や年中行事、水利絵図や古文書を通じて村の成立や農業技術のあり方、農村の生活実態などを聞き取り調査し、記録化することといたしました。
対象として取り上げた地区は、近世初頭に明石市内でも、とりわけ早く新田を開発し、村落を形成した鳥羽地区、松陰新田地区、清水新田地区です。
それぞれの地域では、現在でも農作に伴う祭礼等が先人たちにより受け継がれています。このたびは、多くの方々のご厚意を得て、調査を行い、まとめることができました。
今回まとめた冊子が、地域の伝統文化を再発見する機会となり、あらためて地域に誇りと愛着を持ち、将来にわたって伝承されていくことを願っております。
平成27年3月31日
明石民俗文化財調査団
明石民俗文化財調査団