「よいやなり」

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 継承:岩佐 肇  採譜:塩谷映子
(共通の導入唄)
よいよい、よいやなーり、<よい>、
よいと留(と)めたる
その声(こえ)ーに、<よい>、
言(い)い損(ぞこ)ないは御免(ごめん)なーり、<よい>、
聞(き)き損(ぞこ)ない不調(ぶちょう)(法)なーり。<よい>
共通の導入唄
 
①亀(かめ)づくし
 亀(かめ)づくしを申しまーす。<よい>
 次郎亀(じろうがめ)、太郎亀(たろうがめ)、兵隊亀(へいたいがめ)、<よい>、
 法螺(ほら)を吹くのは行者亀(ぎょうじゃがめ)、<よい>、
 乗(の)って行くのは浦島亀(うらしまがめ)とは<よーいとせ>
亀づくし
 
②蛸(たこ)づくし
 蛸(たこ)づくしを申しまーす。<よい>
 蛸(たこ)の入道(にゅうどう)の骨無(ほねな)しめーが、<よい>、
 まな板さぶろに乗(の)せられーて、<よい>、
 酢味噌(すみそ)に山椒(さんしょ)に出合(であ)い物(もん)とは、<よーいとせ>
蛸づくし
 
③ぼた餅(もち)づくし
 ぼた餅(もち)づくしを申しまーす。<よい>
 今年(ことし)取れたる新米(しんまい)ぼた餅(もち)、
 黄粉(きなこ)、砂糖粉(さとこ)の着物(べべ)着(き)せーて。<よい>
 杉(すぎ)は楊枝(ようじ)の杖(つえ)突(つ)いーて。<よい>
 喉(のど)のへこさをタヨタヨー(ヨタヨタ)と。<よい>
 腹(はら)で一夜(いちや)の宿(やど)を取(と)ーり<よい>
 明日(あす)は厠(こうや)(高野)へご参詣(さんけい)とは、<よーいとせ>
ぼた餅づくし
 
④飯(めし)づくし
 飯(めし)づくしを申しまーす。<よい>
 一(いち)に、芋飯(いもめーし)。<よい>
 二(にー)に、にぎり飯(めーし)。<よい>
 三(さん)に、ささき飯(めーし)。<よい>
 四(しー)に、汁掛飯(しるかけめーし)。<よい>
 五(ごー)に、五目飯(ごもくめーし)。<よい>
 六(むっ)つ、麦飯(むぎめーし)。<よい>
 七(なな)つ、菜飯(なめし)、八(やっ)つ、焼飯(やきめーし)。<よい>
 九(ここの)つ、強飯(こわめし)、十(とうお)、豆腐屋(とうふや)のおから飯(めし)とは<よーいとせ>
飯づくし
 
⑤付(つ)くづくし
 つくづくしを申しまーす。<よい>
 港(みなと)、港(みなと)に船(ふね)が着(つ)ーく。<よい>
 船(ふね)が着(つ)いたら客(きゃく)が着(つ)ーく。<よい>
 客(きゃく)が着(つ)いたら坊主(ぼうず)が付(つ)ーく。<よい>
 坊主(ぼうず)が付(つ)いたら乞食(こじき)が付(つ)ーく。<よい>
 乞食(こじき)が付(つ)いたら犬(いぬ)が付(つ)ーく。<よい>
 犬(いぬ)が吠(ほ)え付(つ)くかぶり付(つ)ーく。<よい>
 かぶり付(つ)いたら傷(きず)が付(つ)ーく。<よい>
 傷(きず)が付(つ)いたら医者(いしゃ)が付(つ)ーく。<よい>
 医者(いしゃ)が付(つ)いたら薬(くすり)が付(つ)ーく。<よい>
 薬(くすり)が付(つ)いたら治(なお)り着(つ)くとは<よーいとせ>
付くづくし
 
⑥無(な)い物(もん)づくし
 無(な)い物(もん)づくしを申しまーす。<よい>
 西行(さいぎょう)が西行が水(みず)無(な)し川を渡(わた)ろうとーて。<よい>
 こんにゃく橋(ばし)に滑(すべ)りこーけ。<よい>
 それに付(つ)けたる薬(くすり)はないかと
 問(と)うたれーば。<よい>
 山(やま)に出来(でけ)たるはまぐり貝(がーい)か。<よい>
 海(うみ)に出来(でけ)たる松茸(まつたけ)か。<よい>
 水で炊(た)いて火で練(ね)って明日(あした)付けて
 今日(きょう)治(なお)るとは<よーいとせ>
無い物づくし
 
⑦松(まつ)づくし
 松(まつ)づくしを申しまーす。<よい>
 一本目(いっぽんめ)ぇーには、池(いけ)の松(まーつ)。<よい>
 二本目(にほんめ)ぇーには、庭(にわ)の松(まーつ)。<よい>
 三本目(さんほんめ)ぇーには、下(さが)り松(まーつ)。<よい>
 四本目(しほんめ)ぇーには、島(しま)から先(さき)の一(ひと)つ松(まーつ)。<よい>
 五本目(ごほんめ)ぇーには、五葉(ごよう)の松(まーつ)。<よい>
 六(む)っつ、昔(むかし)の高砂(たかさご)一の、尾(お)ノ上(え)の松(まつ)や
 曽根(そね)の松(まーつ)。<よい>
 七本目(しちほんめ)ぇーには、姫小松(ひめこまーつ)。<よい>
 八本目(はちほんめ)ぇーには、浜(はま)の松(まーつ)。<よい>
 九(ここの)つ、小松(こまつ)を植(う)え揃(そろ)え、
 十(と)うお、豊国(とよく)の伊勢(いせ)の銭掛松(でにかけまつ)とは。<よーいとせ>
松づくし
 
⑧白鷺(しらさぎ)づくし
 白鷺(しらさぎ)づくしを申しまーす。<よい>
 白鷺(しらさぎ)が白鷺(しらさぎ)が今年初(ことしはじ)めて伊勢詣(いせまいー)り。<よい>
 伊勢(いせ)より広(ひろ)い町(まち)はなーい。<よい>
 一夜(いちや)の宿(やど)を借(か)りかねーて。<よい>
 浜(はま)へ下(さが)りて浜(はま)の小松(こまつ)の二(に)の枝(えだ)に。<よい>
 柴(しば)を刈(か)り寄(よ)せ巣組(すくー)んで。<よい>
 十二(じゅうに)の卵(たまご)を生(う)み揃(そろ)え、羽(は)が揃(そろ)えて立(た)つ時(とき)は、
 恵比寿(えびす)、大黒(だいこく)、福(ふく)の神(かみ)とは<よーいとせ>
白鷺づくし
 
⑨虫(むし)づくし
 虫(むし)づくしを申しまーす。<よい>
 一(いち)に、芋虫(いもむーし)。<よい>
 二(にー)に、にが虫(むし)。<よい>
 三(みっ)つ、蓑虫(みのむーし)。<よい>
 四(よっ)つ、夕(よ)んべの夜這虫(よばいむし)。<よい>
 五(いつ)つ、イガ虫(むし)、六(むっ)つ、麦(むぎ)の虫(むし)、
 七(なな)つ、菜虫(なむし)、
 八(やっ)つ、柳(やなぎ)のぶいぶい、毛虫(けむし)、
 九(ここの)つ、米屋(こめや)の穀象虫(こくぞうむし)
 十(とお)、(不詳)
虫づくし
 
⑩福(ふく)づくし
 福(ふく)づくしを申しまーす。<よい>
 正月(しょうがつ)にーは、菖蒲(しょうぶ)、栴檀(せんだん)、
 軒葺(のきふく)なーり。<よい>
 二月(にんがつ)にーは、二月初午(にがつはつうま)、稲荷福(いなりふーく)。<よい>
 三月にーは、蛤貝(はまぐりがい)がしおろとーて、
 塩吹くなーり。<よい>
 四月にーは、(不詳) 五月にーは、(不詳)
 六月にーは、(不詳) 七月にーは、(不詳)
 八月にーは、(不詳) 九月にーは、(不詳)
 十月にーは、(不詳) 十一月にーは、(不詳)
 十二月にーは、(不詳)
福づくし
※<    >印の中の文句は、皆んなの合の手(掛声)