はじめに

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 近年、高齢化と出生率の減少により、地域に培われてきた風習や伝統文化の継承が危惧されております。そこで、地域に残る身近な民俗文化財について、聞き取り調査を行い、記録化することにより、こうした灯を途絶えさせないようにしようと、民俗文化財調査団を立ち上げることといたしました。
 昨年度は、明石の農村部の調査を行い、その成果を『明石の農村』としてまとめました。今年度は、「明石の漁村」をテーマに、地域に残る祭礼や年中行事、絵図や古文書を通じて漁村の成立や漁業技術の在り方、漁村の生活実態などを調査いたしました。
 対象地域としては、漁村景観が色濃く残る市内中・西部(林地区・二見地区)を選定し、主に現地調査と聞き取り調査等を中心に実施した一部を報告しております。
 調査においては、多くの方々のご厚意と、ご協力を得ましたこと、ここに厚くお礼申し上げます。今回まとめた冊子が明石に営々と築かれてきた漁業の文化を再発見する機会となり、次世代に継承していく一助となることを願っております。