・鯛(たひ) “其の肉白く味美にして最も本朝魚品の上と為す
四時共に多く諸国皆有り 種類亦(また)多し” “播州明石浦の産亦佳(よ)し”
・眼張魚(めばる) “播州赤石の赤眼張、江戸の緋魚と共に名を得”
・油身魚(あぶらめ・いたちいを) “肉(淡甘)美ならず 四時之有り下品と為す
播州明石浦に多く之を取り 関東には希に之有り”
・鰈(からえひ・かれい) “瓶子(へいし)鰈 形団く大にして、背鱗の中丸文有り
秋冬播州明石より出づ 大なる者尺半、其の味美にして最上と為す”
・玉筋魚(いかなご・かますこ) “凡そ春分の時摂州一の谷に、始めて多く之を取る
立夏 播州明石浦の鹿瀬にて盛んに之を取る
夏至の前後 讃州八島及び下関にて之を取る”
・望潮魚(いひだこ) “蜘蛛蛸 播州明石に之を取り乾して四方に送る
蜘蛛に似たるを以って之を名づく”