この遺跡は、明石市硯町3丁目で集合住宅の建設に伴って、明石市教育委員会が平成18年度に発掘調査を実施した遺跡である。当地は北西から東南に緩やかに傾斜し、海岸線から850m北にあたり、標高3mの沖積地にあたる。その調査の結果、地表下1.3mの褐色土層下に厚さ30cmの黒色土層がありそこから奈良時代末から平安時代初頭の須恵器の杯身・蓋・高杯・甕・壺とともに円面硯・瓦(平瓦・丸瓦)などが検出された。
さらに土師器の甕・壺と飯蛸壺が約200個出土した。なお、この遺跡は一般には使用されない硯と瓦が出土したことが特徴である。当遺跡の北方1kmに所在する吉田南遺跡(奈良時代の明石郡家跡)との関連が想定されている。
硯町遺跡
丸瓦
硯町遺跡の須恵器と硯・土師器及び飯蛸壺など