10)宝蔵寺(林2丁目:旧東丁)

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 真言宗大覚寺派海門山宝蔵寺である。地元では毘沙門さんと呼ばれて親しまれ、応永3年(1396)に船上の護国寺密蔵院の末寺西蔵坊として創建されたと伝えられている。本尊は鎌倉時代の様式をとどめている室町時代初期の木造の毘沙門天で、脇士は吉祥天と大日如来である。また、毘沙門天・大黒天・吉祥天などは運慶の作と伝えられている。
 『林崎村郷土誌』の「宝蔵寺記」によれば、この毘沙門天像(高さ五尺)は鹿ノ瀬の海中から引き揚げられたもので、これを本尊としてお堂を建てて安置した。このお堂が宝蔵寺であるという。なお、昭和20年(1945)年7月7日の空襲で本堂が焼失し、昭和36(1961)10月5日に再建されたが損傷がひどくなり、平成5年(1993)に現在の本堂が再建された。

宝蔵寺