近年、少子高齢化に伴い、地域に培われてきた風習や伝統文化の継承が困難となってきています。そこで、地域にのこる身近な民俗文化財について、聞き取り調査を行い、記録化し、こうした灯を途絶えさせず、適切に後世に伝えていくことを目的として民俗文化財調査団を立ち上げました。
平成26年度からは文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」を受けて、市内の歴史、民俗、文化などの調査を続けています。その成果として、これまで『明石の農村』・『明石の漁村』として報告してまいりました。そして、今年度は、「明石の宿場」をテーマに、かつての宿場町であった明石市東部の大蔵谷、中部の大久保、西部の清水を対象とし、それぞれの地域に現存する絵図や古文書の調査、聞き取り調査等を行いました。
調査においては、多くの方々のご厚意と、ご協力を得ましたこと、ここに厚くお礼申し上げます。今回まとめたこの『明石の宿場』の冊子が、明石の歴史文化を理解し、地域への愛着が深まり、こうした文化遺産を次世代へと継承していく一助となりますことを願っております。