あいさつ

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 平成31年(2019年)は、明石城は築城400年を迎えます。明石藩は、元和3年(1617年)に小笠原忠政(のち忠真)が信濃松本より移封されてきたことから始まります。忠政は寛永9年(1632年)豊前小倉に移り、その後、幾代か藩主が替わりますが、天和2年(1682年)、越前大野から転封されてきた松平直明が8代藩主となり、その家系(越前松平家)が明治維新まで、藩主家となります。
 明石は江戸幕府において、西国の外様大名の抑えとして重要な位置づけであったにもかかわらず、その実情はよくわかっていません。それは明石藩の歴史的資料の多くを第二次世界大戦の空襲で焼失したためといわれています。
 しかし、近年、明石藩主の松平家、明石藩士の黒田家の末裔の方より家に伝わる古文書などの資料約1700点が明石市に寄贈されたことを機に、これまで知られていなかった当時の様相がよりくわしくわかるようになってきました。
 そうした中、当葵会では明石市の文化遺産を活かした地域活性化事業を活用して、明石城築城400年に向け、明石城の姿をより様々な角度から掘り下げ、その魅力を一人でも多くの人に知っていただきたいとの思いから、テーマを決めたシンポジウムの開催などを行ってきました。また、このたびは、明石城が描かれた絵図を集成した冊子を作成し、城や城下町の変遷などを辿ってみることといたしました。今回収録された絵図はその一部ですが、今後、現段階での集大成を行い、明石城の姿をより具体的に明らかにしていきたいと考えております。
 この冊子の作成にあたり、貴重な資料の提供などご協力いただいた皆様と関係機関の方々に厚くお礼を申し上げます。
 当趣旨をご理解いただき、今後とも、よろしくご指導ご教示賜れば幸いに存じます。
平成28年3月    明石葵会