1.播磨国明石城図

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 淡路島北端を含む明石城下全体図である。正保元年(1644)に幕府が全国の各藩に作成を命じた、いわゆる正保城絵図を基本にしているが、細部は異なる。国立公文書館内閣文庫所蔵の日本分国絵図「播州明石城図」とほぼ同一の図である。

播磨国明石城図●明石市立文化博物館蔵(170×185cm)

 海・川・堀・池などの水系と土塁、家屋部分は色分けされているが家屋部分での武家地・町屋・寺社地の区別がない。西国街道京口門の東に大溝が明瞭に描かれている。この大溝の北半分には土塁がともない、板橋が架かり、番所と門が設けられている。この大溝が堀の役割を果たしており、東に対する防御も厳重であったことがわかる。港の東に「船入屋敷」と2区画の「蔵屋敷」がある。

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