2.播州明石図

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 外堀内の図で、街区割はあるが、屋敷割の区画線はない。外堀の外ではあるが城の西側王子口の北に「王子ノ馬場」を描いている。人丸山の西に「清水寺」とあるが、朱字で「谷」を追記している。基本となる図は「清水寺」が存在した時期の情報により描かれたものだが、後に寺がなくなり、地名として残っていることを表している。外堀の出入口「大蔵谷口」「細工町口」「大手」「タルヤ町口」「王子口」と「山下口」に名前を記している。本丸部分は中央に「人丸廟所」とのみ記している。東南部は欠損しているが、断片的に「町屋…アリ…悉…」の文字が認められる。簡略版の城絵図の一つであるが、全国の城図を集めて広く流布された『主図合結記』に見られるような模式図化されたものとは異なる。

播州明石図●個人蔵(27.5×40.3cm)