1.吉左衛門と幾次郎

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平成31年1月9日
阪神内燃機工業株式会社
常勤監査役 山本幸二

 JR明石駅北側に位置する兵庫県立明石公園の正面入口右側に大洋漁業(現:マルハニチロ株式会社)の創設者であり、発動機付き生魚運搬船‘第1新生丸’を建造し鮮魚運搬を通じて漁業の改革を計った中部幾次郎の銅像が立っている。1928(昭和3)年11月6日、中部氏の功績を讃えた中部翁寿像序幕式(※1)で友人総代として祝辞を述べた人物こそ、明治・大正時代に‘日本の発動機王’と呼ばれ多くの漁船にエンジンを提供し漁船の近代化に貢献した木下吉左衛門(初代)である(※2)。この時、木下吉左衛門は寿像建設諸費として膳末次郎(大阪市西区)、菊地徳次郎(明石市)と共に金二万円を寄付している。
 以下、木下吉左衛門及び木下鐵工所と明石型生魚運搬船の関わりについて述べる。