1.3焼玉機関(注水式と無水式)

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 発明時期は1886年(明治19年)、発明者はイギリス人アクロイド・スチュアート、初期型の注水式と後期の無水式があり、アクロイド社は4サイクル型で1890年特許取得し、1892年ホーンスビー&サンズ社が4サイクルで実用化に成功した。その後、イギリス人のジョセフ・デイが開発した吸気バルブの無いクランク室圧縮式掃気法の2サイクルエンジンのアイデアを取り入れて、アメリカのドイツ系移民のミーツとワイヅが焼玉機関を開発した。彼らの会社ミーツ&ワイヅ社はこれを商品化しミーツ式機関と呼ばれ「注水式焼玉機関」呼ばれるタイプである。その仕組みは掃気ポートに水を滴下しその水蒸気がシリンダ内の燃焼温度を下げ高負荷時の焼玉の過熱損傷を防ぐものであった。
 
 その後、ミーツ式機関と同様の2サイクル機関をスウェーデンのボリンダー社も商品化し、生産した。後に、改良型である「無水式焼玉機関」を開発・商品化した。これは、焼玉下部に冷却ジャケットを設けて焼玉の高温化を防いだ「注水式焼玉機関」の弱点を克服するものであった。ボリンダー式機関と呼ばれ、焼玉機関の代名詞となった。燃料は重油・軽油で点火方式は焼玉による。1950年代まで各地で生産され漁船から機帆船の主機関として活躍した。