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図5 木栓実測図
木栓は槙の柾目を丁寧に面取り加工している。図4からは換水栓口の構造が分かる。まず銅板で栓の入る穴を巻いて釘で船底に打ち込んで留め(銅板巻)、縦・横方向に真鍮の棒(呼称:メド)を複数渡して魚が逃げない工夫をしていた。木栓はこの穴に生間側からはめこんでいた。銅板を用いるようになった時期は不明で、銅板をする前はもっと小さい穴だったのではないかと思われる。木栓は船尾2段デッキ下の一番後方生簀の横か後ろに、木の箱に換水口の数だけきれいに詰めて置いてあった。HN009・HN010には木栓を入れる木箱がマストの前に置かれている。
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図4 換水栓口 断面略図