エンジンの取付け

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 エンジンは船を作り始める段階で発注を行い、造船中に神戸長田の苅藻から三菱のエンジンを運んできた。造船所敷地内には一時的に保管するエンジン小屋(機関部工場)があった。エンジンを取り付けるためにはまず機関台を作らなければならないので、船が7割ほどできた段階でクレーンを使いエンジンを船内に入れていた。年代によって違いはあるが、昭和30年(1955年)代ぐらいまでは焼玉エンジンであった。その後昭和40年(1965年)前後にディーゼルエンジンへと移行する。漁船發動機年鑑昭和十六年度版には明石の木下鐵工所HK274、明石發動機工作所HK272、きしろ発動機株式會社HK278や神戸の鐵工所など広告が掲載されている。当時は機帆船用のエンジンに関する大メーカーといった会社はなく、各地の町工場がエンジンを作っていた。ヤマハのエンジンなどは新しく、富島造船所の時代にはなかった。ディーゼルも徐々に低速~中速へ変わっていったが高速はなかった。高速エンジンは力がなく生船などの貨物船には搭載せずモータボードなどの類に使用していた。