日野逸夫さんが残した明石型活魚運搬船の建造写真

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 日野逸夫氏は、青年期から晩年まで瀬戸内海の漁場から大阪中央卸売市場本場まで活魚の運搬業をしていた。その中で平成16年(2004年)に作成されたと思われる、活魚運搬船の構造(活間構造図)、生間構造断面図(換水口略図を含む)と共に伝統的和船建造方法である大板造り建造方法で作られた「第8大丸」「第三常盛丸」の建造工程写真を撮影されていた。写真には摺り合わせ、木殺し、焼き曲げなど和船建造の重要な工程を第3者が見ても分かるような構成で連続写真として撮影されており、和船建造技術を後世に伝えようとする強い意志が感じられる。第8大丸については「漁船第224号明石型木造99トン型活魚運搬第8大丸」昭和54年(1979年)12月に一部写真を使って報告されている。なお、日野逸夫氏は平成20年(2008年)に77歳で死去された。今回の資料はその妻にあたる日野宮子さんからの提供を受けたものである。
 また、第8大丸の建造にあたっては、大崎進氏も船大工として参加していることから写真資料を見ながら、建造工程について聞取り調査が出来た。以下、写真資料に説明を付け概略を説明する。