大日水産株式会社に残る造船建造の添付図面 昭和54年(1979年)作成

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 今回の資料集作成にあたり大日水産株式会社に残る「第十一盛漁丸」造船建造の許可申請書の添付図面を確認できたので、その概要を報告する。資料はA4紙ファイルにまとめられており、表紙には「造船建造の許可申請書の添付図面船主有限会社戸高水産船名第十一盛漁丸造船所大日水産株式会社」と記されている。その内容は下記のとおりである。
 No.1一般配置図1/50はA1版で、船体の側面図及び平面図で第十一盛漁丸の概要が分かる。主仕様として長さ(登録)29,90m、幅(登録)5,15m、深さ(登録)2,20m、計画満載喫水1,91m、総トン数約99トン、主機関ディーゼル340ps×1基、乗務員6人との記載がある。No.2中央横断面図1/20はA1版で、船体外板の組合せや魚艙構造さらに艤装品、特に主要部材料表は各部に使われた材質と寸法が分かる図面である。No.3線図1/50はA1版、No.4容積図1/50はA1版で、各魚艙の容積及び燃料タンク、清水タンクの容量が分かる。No.5排水量等曲線図はA1版、No.6総トン数計算書はA4の表紙に、B5版の計画船舶積量測度表以下9頁のものである。No.7風圧側面積計算書はA4の表紙に、22,7cm×75,5cmの風圧側面積計算要領図が付属する。No.8計画重心計算書はA4の表紙以下34頁+8頁の書類である。いずれも青焼き図面であり劣化するまでにデータ保存が必要である。
 

第十一盛漁丸 中央断面図


第十一盛漁丸 容積図

 なお、ファイル裏表紙のポケットには昭和54年4月16日付の動力漁船の性能の基準第1項に関する特別承認願、漁船建造許可申請書、事業計画書、同意書が保存されており、明石型生船の造船建造資料として重要なものである。なお、十一盛漁丸は昭和54年に大日水産株式会社富島造船所で造られた明石型生船で、現在大分県佐伯市の有限会社戸髙水産所有である。漁船登録番号OT2-2141大分県船籍。