(2)明治期の商工名鑑からみた「町」

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 明治時代になると、町屋の賑わいがわかる資料が増えてくる。「商工名鑑」と呼ばれるもので、町屋の中でも比較的大きな店や工場などに限られているが、店の屋号、代表者名、住所、扱っている物などの情報が掲載されている。ここで取り上げるのは下記の資料である。(以下、資料名は略して資料①…⑤と記す)
 ①『神戸兵庫明石豪商獨案内の魁』(明治16年)(西尾市岩瀬文庫蔵)
  ※「商工名鑑」ではないが、同内容のため含めた。
 ②『日本全国商工人名録』「明石町商工人名」(明治23年現在)
 ③『帝国実業名鑑第貮号』(明治28年)
 ④『日本全国商工人名録』「明石町商工人名」(明治31年現在)
 ⑤『関西実業名鑑』(明治40年)
 特に、資料①は約100軒の店が掲載され、主な店の店先の様子が詳細に描かれていて大変興味深い。これら資料により、いくつかの町の様子とその移り変わりをみてみる。

西尾市岩瀬文庫蔵