材木町

41 ~ 41 / 107ページ

「都藤六兵衛」(資料①より)

 港の西端部を包み込む町で、商店が多い中町・東樽屋町と隣接している。町名のとおり材木商の割合が多く、開業13代の濱田屋石井と開業3代の竹澤、明治9年開業で資料①~⑤全てに登場する大黒屋本木と“碇五郎”こと近藤の4軒がある。港に面していることは米穀商にとっても便利であり、“大や”こと米澤吉次郎は資料①~⑤全てに記載されている。資料①の都藤六兵衛は「石六」と呼ばれ、明石近辺ではよく知られた石工で、幕末の明石海峡の守りとして文久3年(1863)から築造された「舞子砲台」の工事に石工棟梁として携わった他、中崎新地の海岸石垣も積んでいて、柿本神社の常夜灯や林神社の狛犬、白雲桜の碑などにその名前を見ることができる。酒井勘右衛門は長林寺の裏に窯を築き、丹波屋の名前で陶器を製造・販売していたが、明治40年に亡くなり廃窯となった。
名前 業種・商品 屋号ほか 資料① 資料② 資料③ 資料④ 資料⑤
石井久右衛門 材木商
石井久右衛門 材木商 開業十三代
石井久右衛門 材木商 濱田屋
石井材木商店 材木商 石井久右衛門
丘澤徳兵衛 金銀玉水晶竹石印類 象牙水牛画入印判
黄揚印 版木類 位牌るい 数珠
摺物師
丘澤徳兵衛 傘提灯商
近藤本店 材木商 碇五郎
酒井勘右衛門 国産陶器製造商
酒井勘右衛門 陶器製造 丹波屋
酒井勘右衛門 陶器商
竹澤宗助 材木商 開業三代
藤倉磯吉 旅館料理 料理業 藤乃屋
松井平八 醤油醸造及酢 松屋
本木久右衛門 材木商
本木久右衛門 材木商
本木久右衛門 材木商 九年開業
本木久右衛門 材木商 大黒屋
本木久右衛門 材木商
米澤吉次郎 米穀 巻糠商 醤油醸造
米澤吉次郎 米穀商 巻糠
米澤吉次郎 肥料巻糠兼米穀商
米澤吉次郎 米穀商 大や
米津吉次郎 米穀肥料商
都藤六兵衛 諸石細工所


舞子砲台碑文写(個人蔵)


「明石舞子の古今誌」(明治38年)