「都藤六兵衛」(資料①より)
港の西端部を包み込む町で、商店が多い中町・東樽屋町と隣接している。町名のとおり材木商の割合が多く、開業13代の濱田屋石井と開業3代の竹澤、明治9年開業で資料①~⑤全てに登場する大黒屋本木と“碇五郎”こと近藤の4軒がある。港に面していることは米穀商にとっても便利であり、“大や”こと米澤吉次郎は資料①~⑤全てに記載されている。資料①の都藤六兵衛は「石六」と呼ばれ、明石近辺ではよく知られた石工で、幕末の明石海峡の守りとして文久3年(1863)から築造された「舞子砲台」の工事に石工棟梁として携わった他、中崎新地の海岸石垣も積んでいて、柿本神社の常夜灯や林神社の狛犬、白雲桜の碑などにその名前を見ることができる。酒井勘右衛門は長林寺の裏に窯を築き、丹波屋の名前で陶器を製造・販売していたが、明治40年に亡くなり廃窯となった。
名前 | 業種・商品 | 屋号ほか | 資料① | 資料② | 資料③ | 資料④ | 資料⑤ |
石井久右衛門 | 材木商 | ○ | |||||
石井久右衛門 | 材木商 | 開業十三代 | ○ | ||||
石井久右衛門 | 材木商 | 濱田屋 | ○ | ||||
石井材木商店 | 材木商 | 石井久右衛門 | ○ | ||||
丘澤徳兵衛 | 金銀玉水晶竹石印類 象牙水牛画入印判 黄揚印 版木類 位牌るい 数珠 |
摺物師 | ○ | ||||
丘澤徳兵衛 | 傘提灯商 | ○ | |||||
近藤本店 | 材木商 | 碇五郎 | ○ | ||||
酒井勘右衛門 | 国産陶器製造商 | ○ | |||||
酒井勘右衛門 | 陶器製造 | 丹波屋 | ○ | ||||
酒井勘右衛門 | 陶器商 | ○ | |||||
竹澤宗助 | 材木商 | 開業三代 | ○ | ||||
藤倉磯吉 | 旅館料理 料理業 | 藤乃屋 | ○ | ||||
松井平八 | 醤油醸造及酢 | 松屋 | ○ | ||||
本木久右衛門 | 材木商 | ○ | |||||
本木久右衛門 | 材木商 | ○ | |||||
本木久右衛門 | 材木商 | 九年開業 | ○ | ||||
本木久右衛門 | 材木商 | 大黒屋 | ○ | ||||
本木久右衛門 | 材木商 | ○ | |||||
米澤吉次郎 | 米穀 巻糠商 醤油醸造 | ○ | |||||
米澤吉次郎 | 米穀商 巻糠 | ○ | |||||
米澤吉次郎 | 肥料巻糠兼米穀商 | ○ | |||||
米澤吉次郎 | 米穀商 | 大や | ○ | ||||
米津吉次郎 | 米穀肥料商 | ○ | |||||
都藤六兵衛 | 諸石細工所 | ○ |
舞子砲台碑文写(個人蔵)
「明石舞子の古今誌」(明治38年)