明石民俗文化財調査団では、地域に残る身近な歴史を後世に伝えていくことを目的に、多くの方々からの聞取りや資料調査を行い、平成26年度から『明石の農村』『明石の漁村』『明石の宿場』をテーマにした冊子を刊行してまいりました。
今年度は「城下町」をテーマに、明石城の外堀に囲まれた武家屋敷や街道に沿って発展した商人町・職人町を中心にその暮らしの移り変わりを調査いたしました。しかしながら、城下町に相当する地域は、昭和20年の度重なる空襲により大きな被害を受け、さらに、その直後には水害にも襲われたため、町の記録が多く失われており、城下町といっても江戸時代の暮らし振りに迫ることは困難な状況でした。このような中で、町に暮らす方々からの聞取りや明治期以降の資料調査などを通して、かつて「城下町」であった地域の移り変わりをその一端としてまとめることができました。
調査においては、多くの方々からご協力をいただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
この『明石の城下町』の冊子が、地域文化の理解とともに、地域の記憶を次の世代に伝えていくことの一助となりましたら幸いです。