凡例

1.本書は、2019年(令和元年)9月1日に発行した『明石型生船調査資料集・生船写真帖』の続編『明石型生船調査報告書』となる。2022年度(令和4年)に『明石型生船史料目録』を作成し調査を終了する計画である。資料集については、明石市立図書館明石郷土の記憶デジタル版ADEACで地域資料をデジタル化して公開している。ぜひ活用いただきたい。
 
2.『明石型生船史料目録』は大日水産株式会社(日野賀生氏)が所蔵する戦前・戦後の活魚船に関する資料、韓国活魚組合の資料を中心に整理し作成する予定である。
 
3.『株式會社木下鐡工所のディーゼル機関・燒玉機関出荷台帳』を報告書に公開するにあたり、阪神内燃機工業株式会社代表取締社長木下和彦氏より許諾を頂いている。この台帳の船主や造船所の住所などから、失われた造船所の姿が確認できるのではないかと考えられる。研究者の皆様のご活用を期待したい。
 
4.『淡路岩屋港における生船―鰯鮮魚運搬船として活躍した小型生船―』に掲載した兵庫県淡路市岩屋港の景観写真については、岩屋公民館の皆様に探索のご協力を頂いた。
 
5.生船研究会(平成30年9月24日設立)の趣旨には「生船(ナマセン)は発祥の地、明石や鮮魚運搬、造船に活躍した淡路島にとって貴重な産業遺産でありその活躍範囲の瀬戸内海沿岸地域にとっても未来に残したい文化遺産であります。残念ながら明治末から大正・昭和にかけて生船が活躍した地元の人たちには、その存在は忘れ去られたり、お年寄りの懐かしい記憶としてかすかに残っているに過ぎません。写真や聴き取りなど多様な方法によって生船の歴史や現状について明らかにしたいと考え、研究会を設立します。(要約)」とある。
 
6.この資料集は、主に生船研究会メンバー及び大学等の研究機関、造船関係研究者等に配布し情報を共有するものである。将来、明石市立文化博物館において企画展等を開催する場合に改めて企画展図録として一般に公開する予定である。