淡路の活魚運搬というと瀬戸内海東部や西海地域、壱岐、対馬、五島列島などの出買地に向け大型の活魚運搬船で活魚運搬を行う巡航船が有名である。今回、淡路岩屋港における活魚運搬船の聞取り調査によって、初めて大阪湾で活躍した鮮魚運搬船を知ることができた。幾つかの資料には大阪湾を取り囲む泉州の漁港や、淡路島東岸の漁港には大阪湾前面水域で活動した小型の動力活魚運搬船が多数あったこと残されている。今後これらの地域を詳細に調べる事によって、大阪湾という特定地域における活魚運搬の実態がさらに明らかになるかもしれない。
確かに調査をするには20年・30年程遅いかもしれない。しかし今、解ることを記録化しておき、活魚運搬業という遺産をなかったことにしたくない気持ちでこの記録を作成した。