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凡例

1.本書は、2019年(令和元年)に発行した『明石型生船調査資料集・生船写真帖』 2022年(令和4年)に発行した『明石型生船調査報告書vol.2』に続く『明石型生船調査報告書vol.3』となる。これらの写真帖、報告書については、明石市立図書館明石郷土の記憶デジタル版ADEACで地域資料をデジタル化して公開している。ぜひ活用いただきたい。また、2020年(令和2年)12月12日には、生船研究会の金井清氏によって『最後の明石型生船第拾壱盛漁丸』が自費出版されている。


2.明石市立文化博物館において「企画展明石の木造船」が2022年(令和4年6月2日~26日)まで開催され、その中で明石型生船の歴史や構造が広く公開された。


3.大日水産株式会社(日野賀生氏)が所蔵する戦前の「富島水産株式会社」資料については、『明石型生船調査報告書vol.2』において、近代富島生船史研究序説として島根大学学術研究院農生命科学系 伊藤康弘氏により報告されている。今回、報告する資料は戦後及び昭和38年(1963年)淡路島富島に開設された大日水産株式会社富島造船所に関する資料を中心に報告している。


4.生船研究会(平成30年9月24日設立)の趣旨には「明石型生船(ナマセン)は発祥の地、明石や鮮魚運搬、造船に活躍した淡路島にとって貴重な産業遺産であり、その活躍範囲の瀬戸内海沿岸地域にとっても未来に残したい文化遺産であります。しかし残念ながら明治末から大正・昭和にかけて生船が活躍した地元の人たちには、その存在は忘れ去れたり、お年寄りの懐かしい記憶として、かすかに残っているに過ぎません。写真や聞取りなど多様な方法によって生船の歴史や現状について明らかにしたいと考え、研究会を設立します。(要約)」とある。


5.2019年(令和元年)に明石型生船の調査するにあたり、聞取り対象者からは20年から30年前に聞いてくれたら、船大工、乗組員など関係者が多くいたので、もっと詳しく聞取りが出来たのに「いまでは遅い!」と言われた。関係資料も生船を知らない世代になると「家を片付けて、捨ててしまった!」の声を聴いた。確かに遅いかもしれないが、生船を知っている最後の世代(70才後半から80才)に会って生船のことを知りたいと思い調査を始めた。20年後にどれだけの人が生船について、語ることが出来るだろうか。「いまでは遠い昔の話」になるのであろうか。


6.この資料集は、主に生船研究会メンバー及び大学等の研究機関、造船関係研究者、瀬戸内海地域の博物館、図書館等に配布し情報を共有するものである。