6.在庫表から整理した副資材

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 第18表は大日水産富島造船所在庫表から整理した副資材の単価表である。船釘は縫釘、通釘、貝折釘、包釘などの木造船の建造用途によって異なる寸法が各種が揃っている。船釘の寸法は大体6寸、6寸5分、7寸など五分刻みになっているが、なかには6寸3分、6寸8分等など2分(6.06mm)や3分(9.09mm)の長さがことなる釘が購入されており、船大工のこだわりが感じられる。釘はキロ単位で売り買いされていた。古くは手打ちの鍛冶技術で作られていたが、ベルトハンマーが普及すると主な加工は機械化された。しかし細かい頭などの加工には金床を使った手作業が必要であった。釘素材には鋼材屋、鉄鋼船の造船所から仕入れた平鉄などを使った。船釘やボードーなどは造船場の南側にあった材料庫の棚に、サイズごとに仕分けて整理されていた。

 縫釘は板と板を縫い合せて(接合)して幅の広い1枚の大板にする釘で、頭が内側に僅かに折れており、使用するときは折れた側に叩いて曲げて使う。釘のほとんどは亜鉛がけ(メッキ)されており、腐食しにくく抜けにくいものだった。通釘は帽子状の頭が付いた平釘で、シキ(敷)とカジキ(下棚)、カジキと上棚の通りに角度を付けてこれらを接合するのに使用する。棚板構造の船を造るとき最も重要な作業となる。長尺の通釘には鉄そのままの黒釘が見られる。釘は木の中で錆びて密着が強くなる。貝折釘は縫釘の頭が長く出た形をしており、主に甲板の取付けや、小縁などの上周りの接合などに使用する。2寸ほどの貝折釘の小さなものが包釘でブリッジの窓枠など洋釘に近い形で使用する。中には銅製のものもある。

 鉄ボートーはボルト、ナット付きのねじ釘で、外板と戸立(トダテ)、シキと下マツラの接合など力がかかる場所に使い、座金をはめナットでネジを締める。外に出る部分はエポキシ樹脂やパテで埋めて海水に触れないようにした。

 タック釘には断面が丸い丸タツク釘と、断面が方形の角タック釘がある。いずれも鉄棒を長さに合わせて裁断し、ボタン状の頭部を溶接している。丸タックの軸部は丸棒であるが先端部は叩いて方形にし、その内の二面はさらに叩いて楔形に加工してある。角タック釘の軸部は方形の角棒で、先端に近い二面を叩いて楔型にしている。いずれのタック釘も亜鉛ガケされている。タツク釘の頭の周りにマキハダを巻いて打ち込むとさらに強く接合できた。

 木ボートーは主に桧製の木でできたボルト、上棚と立マツラ、カジキと下マツラ、外板と防舷材の接合などに使用した。頭は角形で四隅は鑿で斜めに欠き、先は円形で先端は面取りがされている。接合する材にボートギリでボート穴を開けてから、外側から金槌で打ち込んだ。ボート穴を閉じる桧でできた円形の埋木がある。

 埋木は船釘を打ち込んだガケ(ダキ)穴から水が入らないように埋め込む楔型の木で船釘を打ち込んだ後、金槌で叩いて埋めて余分を平鑿で落としたり鋸で切りとる。桧製と欅製のものがあり、板材の種類により使い分けていた。

 船釘や金属ボートーは注文すると、釘樽(船釘が詰められた小型の木樽)や叺(カマス)と呼ばれる藁を編み込んだ筵(むしろ)を二つ折りにして両端を縫って袋状にしたものに入れられ造船所に直接送られてきた。基本的には㎏単位で兵庫県姫路市の中村製作所から購入していた。木ボートーや埋木は兵庫県洲本市在住の中村勝氏製造のものを購入していた。

写真26 柿佐商店(船具)<br>兵庫県明石市

写真26 柿佐商店(船具)
兵庫県明石市

第17表 大日水産株式会社富島造船所外注先一覧表

第17表 大日水産株式会社富島造船所外注先一覧表