①甲板の見学

195 ~ 196

 船が出港して離岸した。生間(活魚槽)の木蓋(サブタ)が開いていたため覗くと、水が抜いてあり、船底に開閉弁がいくつか見える。開閉弁は空気圧駆動のための銅管が配管されており(写真2)、近くには弁を開ける際魚を逃がさないための網戸(目止)が置いてある。操舵室の壁を見ると、生間の左右と番号が分かるように図が書かれていた(写真3)。見学している最中も、乗組員の皆さんが浮きやロープを所定の位置に片づけていた。

写真2 船底に配置された空気圧駆動式開閉弁<br>下マツラに置かれている網戸(目止)

写真2 船底に配置された空気圧駆動式開閉弁
下マツラに置かれている網戸(目止)

写真3 操舵室に書かれた生間の番号

写真3 操舵室に書かれた生間の番号

写真4 天窓からブリッジへ

写真4 天窓からブリッジへ

 船尾の運動デッキには、錨(アンカー)や複数の大きなタモ網、ロープやホースが置かれていた。ブリッジの横には機関室の天窓と煙突がある。デッキの床と機関室の天窓は薄緑色、煙突と手摺は白と色彩も美しい。天窓に足をかけ、ブリッジに登れるようになっており(写真4)、そこには救命浮輪やスピーカーなどがある。運動デッキとブリッジの手摺の柱を「クリタツ」と言い、蒲江にいた職人に作ってもらったそうだ。

 甲板では、生間の水入れと水抜きの様子も見学した。乗組員が生間の中に、梯子を使わず入る中、福本氏も中へと降りて行った。私は難しいと判断したが、福本氏の身軽さは流石である。道具を持ち、乗組員が生間を左右に分ける板を足場に中に入った。生間の間に「合の栓(写真5)」を木槌で打ち込み、開閉弁の中央にあるボルトを回していくと海水が一気に入ってきた。

写真5 合の栓を打ち込む

写真5 合の栓を打ち込む

 この後、生船で湾内を走った後、水抜きの見学も行った。湾内の運航姿については後に述べる。水抜きの時は、乗組員がゴーグルをつけ、生間に潜り開閉弁の中央のボルトを閉じて水を抜いていく。空気圧駆動が新しいころは全て開け閉めできたが、今は老朽化しできないため潜って手作業で行う必要があるとのことだ。

 船首の中も見せてもらったが、据え付けてある木の梯子には平成30年(2018年)、サブタの裏には令和元年(2019年)の文字が記されており、手入れしながら長く使用されていたことがわかる。