炊事方の2人が炊事場で片付けをしている中、福本氏と私で操舵室と寝室と炊事場の寸法を採寸した。各部屋で共通しているのが、欄間など彫刻が施された箇所がいくつかある点。また実際に使用されていたため、日用品があちこちに見受けられた。
まず、部屋の名を質問するのを失念していたが、小デッキの下、炊事場の扉から入った先には米や炊飯器、チリ紙などの道具が置いてある部屋がある。約255cm×約255cmの空間に据付の棚が左右にある。棚は船に合わせて斜めに傾いており、棚自体の奥行きは約80~90cmだが、棚の奥にはさらに船の側面の反りに合わせた空間が広がっている。このスペースの天井の高さは約160cmと多くの人は屈まないといけない高さとなっている。炊事場とは段差があり、炊事場のステップがちょうど目の高さである。壁に歯ブラシがぶら下がっていた。床は木の板を並べており、それぞれの板に「一」「二」…「九」「十」と番号が彫られていた。
次に船首側の扉をくぐると、寝室がある。先ほど紹介したスペースとは約110cmとかなり段差があるため、寝室側に階段が設けられている。床には操舵室の休憩スペースと同じ黄色いマットが敷かれているため、靴を脱ぐ必要がある。船尾側の壁に壁掛け時計があり、上下に棚が設置されている。船尾側の壁上段中央には神棚があり、薬師如来の海上安全祈願札があった。床は約230cm×約190cm、高さは約200cmと背を伸ばして立つことができる。左右にある2段ベッドは約80cm×約190cmで高さは場所によって変動するが、80cm~100cm程度で、布団が敷いてある。寝室の詳細については、『生船乗組員の生活(寝床(ベッド))』に詳細を記す。
船首側の約80cm×約50cmの扉を潜ると機械室となっている。デッキから見た天窓と煙突が天井へと繋がっている。
最後に炊事場には流し台や風呂があり、船尾側のテントシートの空いた場所には海に向かって箱便所が吊り下げられている。板にいくつか穴が見受けられたが、これは戸髙氏によると大規模修理の際に、綱を取るために開けた穴とのこと。運航中や一人が舵を取るため、食事や寝るときは交代しながらする。