在村文化を担う人々

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 文化活動の中でも特に盛んであった俳諧は、都市町人にはやっていた文化をまねることから始まりました。
 文学を楽しむとともに、娯楽の要素も強く、夜を徹しての句会なども開かれ、有名な宗匠を招いて点数をつけたり賞品を出したりし、賭の対象にもなりました。
 松尾芭蕉が、奥の細道を長い時間をかけて旅をすることができたのも、全国の村々に、俳諧を趣味とする在村の文化人がいて、句会を開くお礼としてさまざまな援助をしたからでした。
 このような文化に親しむ人々は、それなりの経済力と文化に親しむための時間が必要でした。村の中でそのような人々は、村役人を中心とした上層の農民たちに限られていました。また、上層の農民が他地域の人と交わり、自分の村に、文化を持(も)ち込(こ)んだのでした。表にもあるように、農村の商品生産や流通に携わっていた人々が大部分でした。また、その中には、三人の女性も含まれていました。
 
昭島市域村々俳号一覧 昭島市史より
拝島村聞之 梧民 枝鳩 無角 如水 文秋 熊飛 英 竹子 種月 耳月 宝川 其月 文里 鳥暁 一橘 巫山 喜月 青車 月桂 其遊 直鴨 倭女 花岡 花房 なを女 景山 雅月
田中村吉従 文思 糸楽 柳枝 保菊 梅林 文寿 成明 東月
上川原村里耕 友子 規隆 古友 鯉亭 三好 寿松 友之 旭松 指月 沖知女 扇月 狐六 俊子 友桂 菅竹 とき女 扇玉 二鶴 一光 音見
大神村中子 成富 南豊 当巾 樵路 季翠 栄稀 月川 槐堂
宮沢村其盛 文思 栄枝 巣枝 文寿 笑山 其春
中神村孟肬 玉露 五原 丁路 雨暁 景山 松月 楳里 文調 玉蛙 如風 梅里 柳水 霞松 亀玉 杏山 眠外 朏山 霜月 山外 喜遊
福島村仙女 其丈 砂月 宝旭 其友 自楽 喜月 風蝶 其柳 其雪 月峰 一志 芦月 美船 鼻毛 酒楽 梅光 定住
郷地村うたゝ 烏葎 還生 知戀 園生 鴬林 階龍