一 敗戦から復興へ

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 日本が受け入れたポツダム宣言には、無条件降伏のほかに日本を民主主義国家に変えるという、日本の進むべき道も示されていました。
 日本が国外に持っていた領土の放棄、軍隊の解散と軍国主義の停止、財閥の解体、民主主義の実現、基本的人権の尊重など、連合国から示された改革は、政治や経済から国民の考え方にまで及びました。
 連合国総司令官マッカーサーは、日本の民主化に向けて次々と改革を指令しました。
 まず、再び戦争を起こさないように、武装を解除させ、戦争を進めた人を捕(と)らえ、裁判にかけました。また、戦争に積極的に加担した人を公職から追放し、軍国主義や戦時体制を一掃しようとしました。
 さらに、政治や経済に大さな力を発揮してきた財閥を解体し、一部の人の考えで政治や経済の動きが左右されないようにもしました。
 政治の民主化も急速に進めました。まず治安維持法を廃止し、思想や言論の自由を認めました。政党を復活させ、選挙法を改正しました。この改正により、初めて女性の選挙権が認められ、二十歳以上の男女による普通選挙が実現しました。
 国の政治の大原則である憲法も改正しました。明治時代につくられた憲法は、天皇を中心とし、国民の権利を制限したものでした。そのため、軍人が力を握り、軍国主義を育ててしまいました。民主主義国家にふさわしい憲法が論議されましたが、最終的には、マッカーサーの意向を受けた政府案による憲法が、昭和二十一(一九四六)年に公布されました。

投票する女性 昭和21(1946)年 毎日新聞社提供


はじめての女性国会議員 毎日新聞社提供