開業当初の拝島は仮駅

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 五日市鉄道の工事などはスムーズには進まず、中でも拝島駅近くの用地買収は困難を極めたようです。そのため、開業当初から一ヶ月ほどは、少し五日市寄りに仮設の乗降場と待合室、便所を設けて対応しました(鉄道省文書「五日市鉄道拝島仮停車場設置ノ件」)。まもなく、青梅鉄道と五日市鉄道が共同で使用する駅舎が完成しました。
 

画像①9 五日市鉄道乗入れで改装した拝島駅(大正14.6.9村野誠一氏撮影)

 

画像①10 五日市鉄道遊覧案内(部分。日の出町・(上)羽生家文書)

 開業1年後の大正15(1926)年3月に貨物主体の鉄道に行楽客を呼び込もうと五日市鉄道が発行。当時流行した鳥瞰図である。拝島、東秋留、西秋留、武蔵増戸、武蔵五日市の各駅のほか遅れて大正14年9月20日に開業した大久野駅と武蔵岩井駅や勝峯山採掘場も見える。会社が開発した網代温泉のほか二宮神社、大悲願寺などの行楽地が描かれている。拝島駅周辺では元三大師(拝島大師)と伏見宮別邸(現啓明学園)も描かれている。