立川駅から拝島駅に向かう乗客は青梅線（6.9㎞）と五日市線（8.1㎞）の二路線が選べることになります。そこで、両鉄道会社は協定を交わし、立川乗車・拝島下車（逆も同様）の場合は同額運賃（12銭）に設定しました。運賃収入の九割が青梅電気鉄道側の収入となったようです（青梅電気鉄道文書「立川拝島間運輸共同ニ関スル協定書」）。なお、定期券はどちらも利用できたようです。
 
表2　立川延長線の駅一覧

駅　名	所　在	立川起点 （㎞）	運賃 （銭）	備考
武蔵上ノ原	（立川町）	0.9	5	－
郷地	郷地237-5	2.1	6	停留所
武蔵福島	福島726-2	2.8	6	住家、待合室
南中神	中神944-2	3.5	6	駅、保線詰所、便所、待合 荷上場
宮沢	宮沢200-3	4.5	11	雑種家屋
大神	大神488-3	5.1	11	停留所
武蔵田中	田中404-5	5.5	11	駅
南拝島	拝島2524-2	6.6	12	事務室、待合室、中ホーム、貨物置場、居宅、便所
（拝島）	拝島3838	8.1	12	（青梅鉄道と共用）

注:JTB「駅名変遷事典」1993、昭島市旧家屋台帳ほかから作成。
 

画像①16　昭和10年五日市鉄道時刻表
（部分。青梅電気鉄道文書08・C・01＝青梅市郷土博物館所蔵。以下同じ）

上り列車は20本。拝島・立川間は19分ほど。◎印の武蔵田中、大神、宮沢、武蔵福島、郷地は乗降客がない場合は通過した。
 

画像①17　五日市線運賃表
（昭和15.11。秋川渓谷ハイキング地図。青梅電気鉄道文書10・A・32）